得意?苦手?の実験
コミュニケーションが苦手な人と、コミュニケーションが上手いと思っている人とを比べた実験では、
最初の1~2回目までは、苦手な人が不利でしたが、会う回数が3回以上になると、あまり差がないということが分かっています。
コミュニケーションが苦手だと思っている人は、
相手と何を喋ったらいいのかが分からないことが問題
という場合が多いのです。
内向的な方が有利
内向的で、小説などをよく読む人は、共感する力があり、集中力も高く、話をしっかりと聞くことができます。
共感する力や洞察力は、
話をする能力やコミュニケーション能力と比べて、高めることが難しいので、内向的な人がコミュニケーションの技術を身につけることができれば最強です。
INSEADの実験と
ミミッキング
2010年にHarvard Business Schoolに次ぐ経営大学院であるINSEADが、話し方と親密さについての実験をおこないました。
被験者は10分ほど話をし、その際、半数は相手の言葉の語尾を2~3語繰り返してもらうように指示しました。
日本語の場合なら、相手が最後に言ったことに注目をするという感じです。
この言葉を繰り返すテクニックをミミッキングといいますが、ミミッキングを行った被験者は、相手との親密さが増したという結果が出ています。
ほかにも親密さを増す心理テクニックとして、相手の仕草を真似するミラーリング、相手の言葉をそのまま繰り返すバックトラッキングなどがありますが、実際はとても簡単な方法であるミミッキングでも結果がでました。
INSEADの研究によると、友達になるような親密さであれば、相手が話している最後の部分に注目して、それを繰り返すようリアクションをとるだけでも親密さが増すということです。
語尾を繰り返すと嫌がられるのではないか?
という懸念がありますが、実際はさほど気になりませんし、実験でも嫌がられたという結果は出ていませんので、使いやすいテクニックかと思われます。
相手の仕草などを真似するミラーリングも効果はありますが、相手にバレると危険ですし、難易度もなかなかのものです。危険性や手間を考えると、ミミッキングはかなり使いやすいテクニックのはずです。
INSEAD サイトHP https://www.insead.edu
オハイオ州立大学の実験
この実験では、他人のことを積極的に褒めるような噂話をする人ほど、親密感を持たれる傾向があるということが分かっています。もちろん、他人のネガティブな情報を話す人ほど嫌われました。
他人の悪口や噂話をしてしまうと、被害者も自分自身もよくない影響を受けますので注意が必要です。ポジティブな関係を築くどころではなくなってしまうということも言えます。
もしも悪口を耳にしたら
人から誰かの悪口などを耳にしたら、
その悪口を否定する必要はありませんので、相手の感情に共感してあげてください。
同じように悪口を言ってしまっては自分の好感度も下がります。
人が悪口を言う時は、なにか嫌な思いをしたということなので、悪口に共感するのではなく、相手の気持ちや心遣いに共感をしてあげましょう。
悪口を言う人は、デリケートな人です。
デリケートな人は、一緒に悪口を言ってくれなかったからというよりも、自分が言っていることを理解してくれていないと感じると、よけいに悲しくなってしまいます。
相手がつらかったり大変だったから不満や愚痴を言っているわけですから、その感情に共感するところから始めましょう。
話しの内容に同意するのではなく、相手の感情に共感をしましょう。
ポジティブゴシッピング
ポジティブゴシッピングとは、人のいい噂話をするということです。
逆にネガティブゴシッピングとは、人の悪い噂話をすることです。
先述のオハイオ州立大学の研究によって、いい噂話をする人は好感度が上がり、悪い噂話をする人は好感度が下がるという実験結果に基づいて、自分発信の場合にはポジティブな噂話をしてみましょう。
普段から人のポジティブな面を見つけるようにすると、ポジティブゴシッピングがしやすくなりますので、誰かを褒めたりするのと同時に、自分の評価も上がるようになります。
そしてなによりも、行動の一貫性が大事です。
if Thenルール
if Then ルールとは、90年代半ばにニューヨーク大学の心理学者ピーター・ゴルヴィツァーによって研究されたもので、自分の目標を達成させるツールです。if-thenルールを使うと、目標達成率が2倍以上になるという研究報告が多数あります。
やり方は簡単で、
ルールに従って計画を立てるだけです。
「もし◯◯な環境・状況になったら、◯◯な行動を取る」といった、一貫した行動をおこないます。
行動に一貫性がある人は、信頼性が増します。
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ウィルフリッド・ローリエ大学の研究
こちらの研究では、グループに対して普段から一貫性のある行動をとるように指示をすると、その指示をしたグループは親密さが増し、逆に一貫性のない行動をとった場合、感情のコンフリクト(葛藤)が相手の中に生まれ、好感度が下がったということです。
人は、「この人はこうだ」と予測しやすいほうが、安心して接することができるので、信頼感が増します。
意外性があると楽しいという側面もありますが、こと人間関係において信頼感というものは、相手の行動が予測できる状況、自分を裏切ることがないという確信が信頼感につながるわけです。
ですから一貫性がある人は、「安心だから」という理由で好かれるのです。
反対に、何が起こるかわからない状況というのは、大きなストレスになります。
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参考文献
メンタリストDaiGoのコミュ障でもできる「5分間ネットワーキングトレーニング」https://www.nicovideo.jp/watch/1525704925