私たちの能力は、ただなんとなく、ランダムに成長をしていくものではありません。
これから記載していく成長法則とは、能力成長のメカニズムを表しています。
つまり私たちの能力が、どのように次のレベルに至るのか?というような、仕組みを明記したものです。
成長法則を理解することによって、能力成長に関して曖昧だった認識が改善されるだけでなく、法則を利用して能力を獲得する、能力の成長効率を格段に高めることができるようになるのです。
成長法則⑤『差異化』
・差異化とは、ある能力を、より細かな能力に細分化する際に発揮される法則です。
これは、ひとつの能力を複数のサブ能力として分化する仕組みを説明する法則でもありますが、差異化は能力の分割だけではありません。
能力の分離と供に、その能力に変化が生じるということが差異化のポイントになるのです。
・発達心理学からも指摘されているように、差異化と統合化は常に同時に起こり、補完関係にあると考えられています。
・差異化のわかりやすい例として、ヒトの発生を記載します。
A=受精卵 A’=細胞 C=臓器
/=差異化(分化) ×=統合化
A/=A’1,A’2
A’1/=A’3,A’4
A’2/=A’5,A’6...
A’×A’=C
人間は、1つの受精卵から細胞を分化することによって、そこから臓器などが形成され、最終的な成体になっていきます。
その過程の中で起こっている細胞の分化のことを、能力の差異化と例えることができ、分化によって細胞とは別のもの、新たな臓器などが作られることを能力の統合化と例えることができます。
・差異化がなければ統合化が起こらないとも考えられます。これは、細胞分裂をしなければ、生物が成長していかないことと似ています。
・能力が統合化によって次のレベルに到達すると、その能力の構成要素のレベルも向上します。
・差異化とはサブ能力の個性化ともいうことができるのです。