様々な喜びや恐怖は、
経験、風習、ルール、
習慣などとして、
大昔から伝えられ、
蓄積をされて今日に至ります。
どのように処理しているのでしょうか。
まず「大脳辺縁系」のうち、
「海馬」が記憶に関り、
「扁桃体」が、
情動に関わるとされています。
特に恐怖や嫌悪のような、
感情と関連するのは扁桃体です。
海馬にしまわれている、
かつて「怖い思いをした」
という記憶を、
扁桃体が増幅することによって恐怖を感じ、
身体が硬直したり、
心拍数が上がったりする仕組みになっています。
次に恐怖を感じる脳のメカニズムを見てみましょう。
扁桃体による処理は「視床下部」
へ伝えられます。
視床下部は、
自律神経機能の司令塔ですから、
自律神経反応を引き起こして、
心臓の拍動が速くなったり、
胃腸の働きが変化したりします。
恐怖を引き起こす刺激の場合は、
扁桃体から「中脳」へも情報が伝達され、
すくみ上がるといった行動(フリージング)が引き起こされます。
真に進化している人間がいるとしたら、
自分の恐怖をコントロールできますから、
恐怖はありません。
他人から恐怖を植えつけられるようなこともありません。
恐怖を抑えているのが「前頭前野」です。
特に「前頭前野内側部」のうち、
「前頭前野腹側内側部」と、
「眼窩前頭前野内側部」の2ヵ所が司ります。
そこが扁桃体を直接コントロールして、
感情や行動をコントロールしています。
同時に視床下部に対しては、
腹側内側部がコントロールをしています。
ということは、
前頭前野が恐怖体験そのものをコントロールできる。
ということを意味しています。
恐怖はもちろん、
どんな情動であっても、
強くすることも弱くすることもできます。
ですからちゃんと前頭前野が使えるように訓練している人なら、
どんな恐怖でも一瞬で消すことができるのです。
例えば、
誰もいない夜道で向こうからライオンがやって来たと想像してみてください。
恐怖を感じ、
逃げ出したくなるでしょう。
でも、よく見たらネコだったと分かると、
一瞬でその恐怖は消えてしまいます。
喜びだって同じです。
1億円のジャンボ宝くじに当たった。
と大喜びして銀行に換金に行ったところ、
「お客様、番号が一桁違っています」
と言われたら、
それまでの興奮や喜びは、
一瞬で消えてしまうでしょう。
このように前頭前野は、
情動を一瞬で変えることができるのです。
人類は今も進化しています。
情動がゼロになるわけではありませんが、
進化した人類なら、
怖いことがあっても、
瞬間に消すことができます。
一方、どうしても、
恐怖をコントロールできない人々がいます。
彼らは根拠のない恐怖に苛まれて、
簡単に支配されてしまいます。
そして単純な罠にはまるのです。
しっかりとその恐怖と向き合い、
正しい認識でコントロールをすれば、
ゴールの達成にも、
大いにつながることでしょう。
さらに恐怖をコントロールできれば、
リラックスに変換することもできます。
リラックスをすることでIQも上がり、
そこにチャンスが生まれてくるのです。